BI:sionの生い立ち episode3
~重要なことは、正しい答えを見つけることではない。正しい問いを見つけることである~
こんにちは。関係コンディショニングコーチ 矢野圭夏です。
「BI:sionの生い立ち」も折り返し地点です。
読み損ねた!
という方は先にこちらをお読みいただくと第3話が100倍お楽しみいただけます。
■episode.1 パートナー閏ひさみとの出逢い(7月5日更新)
■episode.2 共創ぐるぐる会議の誕生(7月19日更新)
前回、
「人を動かすのは正しさではなく楽しさである」を体現した「全日本畜産フォーラム」についてご紹介しました。
100名規模の未経験業界の研修依頼をきっかけに、2人で企画し講師をつとめる新しいスタイルが生まれたわけですが、
これまでの研修とは何が違ったのか?
「共創ぐるぐる会議」という名前に込められた想いとは?
BI:sionの生い立ち第3話は
講義形式から対話の場づくりへの転換について。
研修は、組織がみずから課題解決に向かうための場づくり
「研修」という言葉、実はあまり好きではありません。
かと言って、企業にご提案する際に「対話の場」という言葉でどれだけの経営者が理解してくださるか不安もあり、やっぱり「研修」と言ってしまいます。
今日は、矢野と閏の初舞台である「全日本畜産フォーラム」のねらいと仕掛けを
みなさまとともに振返りたいと思います。
ご依頼内容としては、
・食肉加工現場での事故に対するリスク管理
・従業員間のコミュニケーション、報連相など
所属する全スタッフへの啓もうでした。
初仕事はリーダー研修ではなかったのです。
ご依頼を受けて感じたことは、
すべての問題は、コミュニケーション不足から起こっているということ。
事故に対するリスク管理も、工程や安全管理など、物理的な改善もありますが
目配り気配りで改善されることも多いです。
従業員間のコミュニケーション、報連相についてはこの企業様の場合、飼料製造(家畜の近くにいる)部門と食肉加工販売(お客様の近くにいる)部門とが物理的に距離があり、
それに伴い、お互いの仕事への理解が薄いようでした。
自分たちの仕事が何につながっているのか、誰のための仕事なのか。
自分はどのように必要とされているのか・・・それは「働きがい」とも言えるでしょう。
自分の仕事の価値に気づき、高める
この頃、閏とよく話していたことが
「自分の仕事の価値に気づき、仲間と共に価値を高めることは組織のパフォーマンスを上げ、業績向上につながる。」
という仮説です。
「組織」といっても個人の集まり。
100人の組織で、
ひとりが50%で仕事に向き合っても50人分の成果ですが
ひとりが100%で仕事に向き合えれば100人分、
いえ、人の力は掛け算ですから、それ以上の成果が生まれてきます。
これは今でも変わらない想いです。
「全日本畜産フォーラム」に戻りますが、このような推測、仮説、信念を土台としてねらいを3つに定めました。
・たくさんの人と知り合い、語り、通じ合う
・会社の一員としての意識を育む
・自分たちの仕事の価値に気づく
そのための仕掛けとして、よくあるスクール形式の会場レイアウトではなく
ひとりひとりと対話ができる距離感で、会場の一体感が感じられ、テーブル移動が簡単にできるレイアウトを考えました。
はい。
文字通りの「場をつくること」から大事にします。
それからタイトル。
「なんだか訳がわからない、おもしろそうな場所だな」と、思ってもらい、日常から切り離して対話するための場の設定をしました。
普段あまり研修など座学で学ぶ機会の少ない方たちにいかに楽しんで、自分事として受講していただけるか。
この時点で、従来の私の
「講師としてちゃんとしたことを教えなくてはいけない」
という私のベクトルが一方的に参加者に向くスタイルから
「参加者が求めていることは何で、どうなることが成果なのか」
という、参加者同士のベクトルが相互に向き合うスタイルへと転換していました。
単純なようでとても深い気づきでした。
なぜなら、相手を信頼していないと生まれない発想だから。
「場に委ねる」ことは、場(相手)への信頼あってこそだと、この時から時間をかけてじわじわと私の中に染み込んでいきます。
相手の力を引き出す”本質的な問い”をいくつ渡せるか
コーチングの現場でも言えることですが
相手(この場合は参加者)の中に答えがあると信じ、何を問えば、その方が自分の答えにたどり着けるか?
そのための問いを渡すために、私たちコーチ(講師)がいるんですよね。
「全日本畜産フォーラム」では90分という時間の中で、5つのテーマで語っていただきました。
はっきり言って、大変でした!!!笑
めくるめく対話の場があちこちで繰り広げられ、その様子を私たち2人は見て回るわけです。
化学反応が巻き起こる会場で、一瞬たりとも気が抜けません。
何が起こるか分からない・・・それはまさに、ライブ!!
(実は、グランドルールとして設けた「いいね!」と声を掛け合うルールも
盛り上がるか盛り下がるか、ひとつの賭けでした。)
終了後、閏と振返り、このスタイルに名前を付けよう!と。
今では「共創」も「会議」も頻繁に目にしますが、当時はまだあまり耳慣れないネーミングでした。
参加者ひとりひとり、会場みんなでつくる場。
とにかくテーブルをぐるぐるとたくさん移動して、活性化する場。
「研修」というよりもっと参加型のクリエイティブな場。
いくつかキーワードを出し、組み換えてできたのが「共創ぐるぐる会議」です。
名前が先にあったのではなく、試行から生まれた場に名前をつけたら「共創ぐるぐる会議」だった、というわけです。
重要なことは、正しい答えを見つけることではない。
正しい問いを見つけることである。
P.H.ドラッガーの言葉です。
この言葉にも通じますが、「共創ぐるぐる会議」ご推薦のメッセージをいただいています。
こちらからどうぞ。(サイト内推薦者メッセージのページへ)
自慢ですが、閏ひさみの「問い」の質は、鹿児島一、いや、九州一です!
そんな閏と矢野がリーダー研修に注力する理由、これまでの事例などを、episode.4でご紹介します。
どうぞ次回をお楽しみに。
(字数が大幅にオーバーし、いつもの1.5倍ですが「気にしているのは圭ちゃんだけよ」と閏に励まされたので気にしません!)
今後お届けするエピソード
■episode.4 リーダー育成における「誘える男」の定義(8月16日更新)
・BI:sionに込めた想い
・今後の展開
孤軍奮闘のリーダーから、信頼され支えられるリーダーへ。
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ひとりひとりのリーダーシップを育むための
対話の場づくりで、組織を成長スパイラルへ導きます。
今日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
人材育成コンサルティングファーム ビジョン
関係コンディショニングコーチ
矢野 圭夏 HP:https://manablegate.com