今週も、関係コンディショニングコーチの矢野圭夏がお届けします。
ゴールデンウィークでリフレッシュした分、今週はエンジン全開で!という方も多いのでは?
暦の上ではもう夏です。
4月に新入社員を迎えた企業も、そろそろ新たなメンバーを加えた組織づくりに取り組む頃でしょうか。
木を見て森も見る
目の前のことに集中する、足元を固める、短期的な課題の解決に当たる。
どれも大事なことですが、ともすれば「木を見て森を見ず」になりがち。
日々の細かなことに取り組みながらも、少し先を見据えたり、広い視野で物事をとらえたり、いわば「木を見て森も見る」ことも忘れてはいけません。
組織運営3つのルール・基礎編はどちらかというと、「木」を見るようなルールでしたが、今日お届けする応用編は、「森」を見るルールと言えるでしょう。
※まだの方はこちら
従業員数ひとケタのうちに取り組んでおきたい組織運営3つのルール(基礎編)
人がふたり集まればチーム。
その数が増えるほど、多様性が高まり、価値観の相違も生じ、ベクトル合わせに時間がかかります。
経営者の目が1人1人に届く今のうちに、ぜひ取り組んでいただきたいことをお伝えします。
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ルール1.チームの合意形成(ルール)があればブレない
研修の現場などでは、組織運営をよく「家族」に例えています。
異なる生活環境で育った他人同士が一つ屋根の下で暮らし、「二人で描く幸せな生活」のために「家庭」という組織を運営していくこと。そこには喜びもあり、苦しみもあるでしょう。
お互いにとって「そんなはずない」という驚きや違和感を互いの協力でどのように対処し受け入れ、育んでいくか。
企業における組織運営においても同じことが言えます。
ある人の正義が、ある人にとっては受け入れがたいものかもしれない。
すべての価値観や要望を完全に満たすことは難しくても、「最大公約数」を見出し明文化することが重要です。
合意形成のプロセスで相手の発言や価値観の背景を知るために対話を重ねることも、チームの結束力を高めるチャンスなのです。
ルール2.かじ取り役と軌道修正のタイミングを決めておく
従業員数10人を境に、経営者1人ではフォローできない部分を任せるリーダー(かじ取り役)が必要になります。
すべてをあなた一人でコントロールするのではなく大きな方向性や指示をリーダーに伝え、リーダーが現場の状況を見て、進捗を管理する。
いくら合意形成がされていても、組織の方針に合わないことや判断に迷うこと、そして予期せぬ問題が生じることもありでしょう。
そんな時に初期段階で解消解決にあたれるよう、指示系統を決めておくことはリスク対策でもあります。
ルールをつくるのは簡単ですが、つくったルールを守り続けるためには、意識と仕組みが必要です。
ルール3.声掛けと仕掛けでその気にさせる
例えば、経営者が従業員と向き合うとして
1対1で向き合う時のエネルギーを100とすると、
1対2で向き合う時は、1人に対して50、
1対5なら1人に対して20、
1対10では1人に対して10になります。
人間関係はそんなに単純なものではありませんが、目の行き届く範囲が限られて、力が分散するのは事実。
ですが従業員からすれば、100で向き合ってほしいと願うのが本当のところでしょう。
行動心理学的に言うと、自分に対する関心が薄い、または、向いていないと感じると
意慾や仕事の質が低下したり、問題を起こすことで関心を引いたり、いろいろな形で影響が表れてきます。
「あなたをちゃんと見ていますよ」
「あなたが頑張っている様子は、評価していますよ」
表現方法はあなたの言葉で構いませんので、意識的に声掛けをしてください。
そして、仕掛け(仕事の任せ方、評価の仕組みなど)も経営者の大切な仕事です。
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以上、
従業員数ひとケタのうちに取り組んでおきたい組織運営3つのルール・応用編をご紹介しました。
どのルールも「もっともだ」とお感じになると思いますが、「わかる」ことと「できる」ことは違います。
人は物ではなく「感情」をもった生き物ですから、人的資源の管理は、工場の生産管理のようにいきません。
私たちはそのような「生きた人」の現場に立ち会います。
コミュニケーションのねじれを解消し、組織を成長スパイラルへ。
従業員数が10名未満の会社が次のステージに向かう前に
組織運営円滑化のためのノウハウ、サポートをご提供しています。
今日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
人材育成コンサルティングファーム ビジョン
関係コンディショニングコーチ
矢野 圭夏 HP:https://manablegate.com
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