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書籍紹介

人の成長は視点の在りかで図れる。トップが従業員に伝えづらいニュアンスが言葉になった本。「すべてが見えてくる飛躍の法則・石原明著」 

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【本日ご紹介する書籍】
「すべてが見えてくる飛躍の法則 ビジネスは、〈三人称〉で考える。」

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こんにちは。
人材育成コンサルティングファーム ビジョン
コミュニケーション能力開発担当コンサルタント 閏ひさみです。
今日もサイトを訪問いただきまして、ありがとうございます。

経営者、若きリーダーのためのビジョンブログは毎週火曜日更新
コンサルタントの閏と矢野が隔週でお届けしています。

書籍紹介ブログは人材育成のヒントとなる本を
私たちが交代で毎月1冊ご紹介して参ります。

私たちコンサルタントは、クライアントの一歩前進のために
日々、情報収集と自己研鑽をしています。
人から学ぶこと、本から学ぶこと、さまざまですが
「どんな本を読んでいるのですか?」と聞かれることも多く、
今年5月から月にお気に入りの一冊を、エピソードを添えて
ブログでご紹介していこうということになりました。

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さて、私は10年前、NLPというものに出会って
一般の会社勤めのOLから
人が自分の思いに気づいて開花する人材育成の魅力に目覚め
9年前その分野へ転換いたしました。

そのそもそものキッカケになったのは
朝、会社に行って、普段となんら変わりなく始まる
始業前の職場の様子をぼーと見ながら、
自分の中でつぶやいた質問でした。

「50歳になってもこの会社のこのデスクに居るのかな?」

その時の私は35歳。15年後が50歳でした。

・・・

さて、今月のおすすめ本は
業界を問わず引っ張りだこの経営コンサルタント石原明氏の
『すべてが見えてくる飛躍の法則~ビジネスは<三人称>で考える~』
です。

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「すべてが見えてくる飛躍の法則 ビジネスは、〈三人称〉で考える。」

組織風土改革をテーマに行うリーダー育成研修の中で
この本に書かれている<人称>という概念を浸透させるための
グループワークを行います。

どんなグループワークかというと
この職場がもっとこの点において、こうなったらいいのにと思うことを、
ひとり数件、付箋に書いて、グループ全員でその理由を添えて披露しあいます。

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どのグループも、とても盛り上がります。

もっとこうなったらいいのに・・の意見は、
自分の中にある不満を吐き出していただく時間にもなりますから。
ここは、組織が次のステージに向かうためにとても肝心な時間です。

不満があるだけ、組織に対しての期待もまだまだあるのです。
だから、とても愚痴・不満もこの段階ではとても重要です。

私たちコンサルタントは、事前にこの場で健全に自分の意見を伝えてもらうためのグランドルールやその他の独自の工夫で、意識的にも無意識的にも概念あわせを行っているので、個々の不満を出し合ってもドロドロ・どんよりした場にはならず、お互いの気持ちを知り盛り上がったり、しんみりしながら共感し合う時間になるようにしています。

・・・

もっとお給料があがるといい
もっと休みが取れたらいい
もっとトップが話を聴いてくれたらいいのに
もっと後輩がしっかりしてくれたらいいのに

etc ・・・

この段階では、色々な意見を乗せた色とりどりの付箋が、
テーブルに集められ、それぞれ意見を主張しています。

私たちはこの後にこの本の中にある<人称>という概念を参加者の皆さんにビジョンで作った標語を添えてレクチャーします。

この本では<人称>という概念で、そのときその場面の視点の在りかと、物事への考えを及ばせる時間軸を1人称~8人称で整理しています。

img_01引用:人称.jp HPより

そして、その後、ご自身たちがそれぞれ付箋に書かれた意見の<人称>のレベルについてとグループメンバーで、人称診断をしてもらいます。

この瞬間にこの場の空気が変わります。

・・・・

なぜなら
自分自身の意見が、余りにも<一人称>よりだとお気づきになるからです。
チームリーダーの<人称>から離れていることが明確になるからです。

・・・・

人の意見はどれも”真実”です。
誰にも批判する権利はありません。

ですが、時と場合に寄って
その場でそれがふさわしいかどうかの基準は存在します。

この<人称>が同じレベルの人どおしは、話がたやすく伝わり合います。
ここが揃っていない限り、話はかみ合うことはありません。

その組織が1人称の視点に重きを置く文化のある組織ならば、
一丸となって何かを成し遂げるということは不可能です。

その組織が2人称の視点を優先する文化のある組織ならば、
組織や、そこで働く人はいつもお客様から何かを強いられます。

その組織が3人称の視点を皆で持とうとするならば、
社会的存在価値が高い組織へと無理なく自然に成長していきます。

私は、まずは隗より始めよですが(笑)
1人称から8人称まで貫ける人材育成を自他ともに目指しております。

また、私たちには無縁ですが
とても不幸な組織では、経営者の人称が1人称しか存在せず
その日の経営者のご気分で組織のパフォーマンスが左右されるということも
存在するのも事実です。

この本の著者は、そんな場面を経営者の振る舞いを見たときに
「社長、人称低いですよ。」とお伝えされるそうです。

<人称>は、個人を批判することなく、振る舞いに修正をかけてもらえる有効な概念でもあります。

前述のビジョンで考えた標語とは
「<3人称>で考える組織は、しなやかで頼もしい」です。

3回くらい復唱してもらうこともあります。

このワークで、はっと目が覚めたチームリーダーたちは
この後、自分たちは何のためにこの場にいるのか?について
とても深い語り合いの姿を見せてくださいます。

組織が、しなやかで頼もしい組織に変容し始めます。

・・・

私が35歳の時に自分に投げ方た質問への答えは
「いや、50歳になったとき今のまま居るとは思えない。
でした。

そう答えながらも、何のスキルも持っていない自分を
ありありと見ることになる少しヒリッとする気づきの瞬間でした。

・・・

さて、今月の書籍紹介ブログでした。

最後までお読みくださり、また思い出話にもお付き合い頂き
ありがとうございました。

閏ひさみ